英文学科の学生さんや、英文学科志望の高校生の中には、
- 英語で卒業論文を書くことが決まっていて不安な人
- 卒業論文を日本語で書くか英語で書くか悩んでいる人
- 英語で卒業論文を書く学校は進路選択で候補から外そうとしている人
がたくさんいらっしゃると思います。
私の大学では、英文科は英語で卒業論文を書くのが卒業の条件でした。
英語で書く以外の選択肢がなかったのでみんな当然のように英語で卒業論文を書いていましたが、今思うと英語で卒業論文を書いたことで得られるものは多かったです。
この記事では、英文学科出身で実際に英語で卒業論文を書いた私が考える英語で卒業論文を書くことのメリットとデメリットをお伝えします。
読んでいただくと、卒業論文を英語で書いて良かったと思うこと、日本語と違い大変なことなどが分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
英語で卒業論文を書いた経験については「英語で卒業論文を書くって大変?英文学科卒の体験談」で詳しくご紹介しています。
デメリット
個人的にはデメリットはあまりないのですが、思いついたことがいくつかあるのでお伝えします。
日本語の卒業論文を経験できない
大学を卒業していて卒業論文も書いたのに、日本語の卒業論文を書いたことがないって少数派かなと思います。
文章の展開、句読点の使い方、箇条書き、出典の書き方など、社会人になって資料を作る時に「これでいいのかな」と不安なことがありました。
もちろん、ビジネス文書と論文は違いますし、必要なときに調べれば解決できることではあります。
でも、分からない、不安という場面にならなければ調べないので、「間違ってることにすら気づかずにそのままにしてることがあるんじゃないか」と不安なんですよね…
- 卒業論文書いたならそれくらい知ってるでしょう
- 論文では常識
という内容を知らないままになっている可能性が怖くて……
とはいえ、卒業論文が必須ではない大学も増えてきているようなので、日本語の卒業論文を経験していないことはそれほど心配しなくていいかもしれませんね。
英語力の差が成績評価にあらわれる可能性がある
内容が良くても英語で適切に表現ができていないと読み手には伝わらないので、英語が苦手な人は成績の評価が下がってしまう可能性があります。
実際、教授から「この文章では何が言いたいのか分からない」と指摘された友人が落ち込んでいる姿を見たことがあります。
でも、努力で挽回できます。
その友人は最終的にはA判定をもらっていました。
論文のテーマが面白いものでしたし、英語の表現は勉強すればできるようになるものなので。
英語で論文を書く際に必要なことは文法が一番大事!英語での卒論執筆に向けてやっておくことに詳しく書いてあります。
正直、難しいかどうかは判断できない
私自身に日本語の論文を書いた経験がないから比較できないだけで、日本語の論文も大変だと思います。
英語の論文や書籍は難しそうに見えますが、高校生までに習った文法で表現されている上に決まった型があるので、理解がしやすいです。
日本語の堅苦しい表現よりも分かりやすいと思いました。(私は現代文が大の苦手で、センター試験は悲惨な結果でした)
難しい日本語の文献を読んで…論文を書いて…っていう方が私には難しかったんじゃないかなと思います。
「英語だから難しい」、「日本語なら簡単」と断言はできないというのが私の感想です。
メリット
メリットはたくさんあります。
英語で論文を書くことができるのは英文学科だけの特権
入学してすぐに英語で卒業論文を書くための練習が始まり、それから4年間ずっと英文を書き続けているので気づかないのですが、英語で卒業論文を書くことができるのは英文学科だけ(※)です。
(※私の大学の場合です。外国語学部や国際教養学部がある大学では英文学科以外も英語で卒業論文を書くことができるようです)
専攻分野のプロである教授に、知識と論文執筆どちらも指導してもらえる機会は英文学科在学中のみ。
卒業してしまったら誰も指導してくれません。
「英語で卒業論文を書くなんて大変そう」という理由だけで、このチャンスをのがしてしまうのはもったいない気がしませんか?
学生生活の集大成である卒業論文を英語で書いて、学生生活を英語で締めくくるって素敵だと思います。
自信がついた
一番のメリットは自信がついたことです。
どこの大学にも卒業論文には「○○枚以上」や「○○文字以上」という長さの規定があり、それを知った時は「そんなにたくさん書けるかな」と不安を感じると思います。
さらに英語で書くとなると、私は不安を通り越して憂鬱ですらありました。
1年生から3年生の間まで、ふとした瞬間に「4年生になったら、英語で卒業論文なんて書けるのかな」と考えていました。
しかし、実際には規定(字体や字の大きさ、レイアウト、引用や参考文献の書き方など)や枚数を満たした、卒業論文として認められる論文を完成させることができました。
「英語で卒業論文を書いた」という経験は、人生で誇れる経験になること間違いなしです。
英文の読み書きが得意になった
リスニングとスピーキングは苦手だけど、読み書きにはもともと自信がありましたが、さらに卒業論文の執筆をしたり英語の文献を読み進めたことで読み書きの力が付き、4年生の後期が人生で一番英語ができた時期でした。
辞書をちょっと使うだけで英語の論文を読み進め、書きたいことが英語ですらすら出てくる頭になるなんて、高校生や大学1年生・2年生の頃は思っていませんでした。
結論:英語が好きなら後悔はしない
卒業論文は自分ひとりで書くのではなく、教授がしっかり指導してくれます。
嫌いなことについてではなく、自分の好きなことに関して調べて書いて添削してもらえるという、人生で唯一の機会です。
さらに友人も一緒に頑張っています。
今振り返っても、人生の誇りです。
英語が好きなら、ぜひ英語で卒業論文を書くことに挑戦してほしいです!!
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