私は英文学科時代、英語学という分野を専攻し、英語学の卒業論文も書きました。
卒論を始める前は、
「英語学の卒論って難しそうだな」
「どんなテーマにすればいいんだろう」
と悩んだのですが、
実際に参考文献を読み始めたり執筆を始めたりしてみると、楽しく進めることができました。
英語学って難しそうというイメージがあるかもしれませんが、実は身近なところでテーマが見つかることもあるほど、英語を学んでいる日常の中にあふれています。
英語学の同じゼミの友人たちのテーマも興味を惹くものばかりでした。
ゼミの教授も、テーマ選びから執筆までしっかり指導してくれます。
この記事では、英語学ゼミで卒論を書いた私の経験談や、同じゼミの友人の卒論テーマについて解説するので、
- 英語学について卒論を書くのが心配
- 英語学の卒論って何書くの?と気になっている
という方はぜひ最後まで読んでみてください。
▼卒論のテーマ決めが不安な方はこちらの記事もご覧ください。
【すぐできる】卒業論文のテーマ決めに役立つ3選【英米文学科・英文学科】
英語学における卒業論文のテーマの種類
英語学といっても、内容はさらに細分化されます。
私の通っていた大学では大きく分けて二つの分野にわけられました。
ひとつめは英語の特徴や構造、文化的背景についてです。私が所属していたゼミはこちらです。
もう一つの分野はイントネーションやオノマトペ(擬音語)など、音声にかかわる内容でした。
英語の特徴や構造
私は英語学の中でも英語の特徴や構造に興味があったので卒論もそのテーマにしました。
動詞や助動詞、前置詞などについて、
- どのような特徴があるのか
- どんなときに使われるか
- どんな単語と組み合わせて使うのか
という規則性を、数十個のデータの中から分析します。
ネイティブスピーカーにとっては自然と単語を選んで組み合わせられるものでも、私たち日本人にとっては、「この意味を英語にするなら、どの単語にすればいいんだろう」と迷うことがあると思います。
そんなときにデータから規則性を見つけることにより、単語の意味だけでなく、その単語が持っている感覚的な意味を知ることができ、その結果として最適な単語を選ぶことができるようになります。
熱く語ってしまいましたが、ちょっと何言ってるか分からないですよね
最近よく見かける「英語をイメージで理解する」というものが近い分野になります。
文化的背景
私のゼミでは私のように英語そのものについて卒論を書いた人よりも、
英語学と社会性をかけ合わせた内容をテーマにしている学生が多かったです。
たとえば誉め言葉、拒否、スラング(若者ことば)があり、それらを日本人と英語圏の人々の会話や文章から分析するというものでした。
私のように英語の特徴や構造そのものについてよりも、こちらのように会話中の事象について研究している友人の方が多かったです。
海外の文化に詳しくないという方は、海外ドラマや洋画をたくさん観るのがオススメです。
海外ドラマや洋画を観ていると、「本当にこんなこと言うの?」と驚くことや、日本とは違うなということが見つかると思うので、疑問や気づきを卒論のテーマに発展させましょう。
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音声
私は音声のゼミではなかったので詳しくは分からないのですが、音声学の代表的なテーマは発声のイントネーションやオノマトペ(擬音語、擬態語)です。
実は私3年次の論文演習でイントネーションについて書いたことがあります。そのときは音声を拾うマイクを買って発音を録音したり、音声を取り込んで解析するソフトで音声を解析し波形の画像にして、論文に貼り付けたりしました。
本格的な論文ではなかったのですが、自分の発声やデータの音声をソフトで解析し、波形となって表れるのがとても楽しかったことを覚えています。
英語学の卒論テーマは身近なところで見つかる
このように、英語学の卒論のテーマは、授業やテキスト、書籍からテーマを探すだけでなく、身近ないろんなところにあります。
英語学の卒論のテーマは「〇〇の日英比較」が多かったので、英語を学ぶ中で「ん?日本語と違うな」と思うところから始まります。
英米の文化や社会に触れていると、興味の幅が広がり面白いテーマに出会えるかもしれません。
私は今までほとんど洋画や海外ドラマを見たことがなかったので、ネイティブの会話の特徴には全く興味がありませんでした。(卒論のテーマに、会話ではなく英語の構造を選んだのもこの理由です。)
しかし、最近洋画や海外ドラマを見るようになって会話を聞いてみると、「こんなこと言うの?」とびっくりすることが多いです。
今学生に戻れたら、英米圏のブラックジョーク?について研究してみたいです。
データ収集・分析について
卒論を書くにあたり、英語学ではデータ集めと分析が必要になります。
自分の調べたい事柄でデータの収集方法、データの数や内容を決めます。
データ集めの方法は5種類
私のゼミでは、日本語・英語問わず下記の方法でデータを集めていました。
- ドラマや映画
- インタビューやそのスクリプト
- 辞書の例文
- コーパス(大量の会話や文章が集約されているデータベース)
- 書籍・絵本
※これ以外にもデータを集める方法はあると思いますので、「このデータを使って調べてみたい」というものがあったら教授に相談してみてくださいね。
私の場合、データは必ずしも会話である必要はなかったため、辞書の例文とコーパスから文章を集めました。
必要なデータの数は少なくとも15個
どんなことを調査したいのかで、データの数や内容を決めます。
たとえば、
- 日英比較なら英語20個前後、日本語データ20個前後
- 大量に集めてカテゴリーごとに会話に登場する回数を調べる
- 関係性やシチュエーションにおける違いをテーマにしているならそれぞれの項目で適したデータをさがす
というように、研究・証明する内容に合わせたデータ収集が必要になります。
分析
調べる内容によって分析方法も変わります。
上記1、2の場合はカテゴリーやシチュエーションごとに分類して表やグラフに
上記3のように数の比較ではなくシチュエーションや関係性ごとの違いを解説する形式ならわかりやすく文字化して説明します。
結論:英語学の卒論は特別難しいわけではない
英語学の卒論は、自分で気づいた日本語と英語の違いが研究テーマになります。
- 海外ドラマや洋画を観ているときに気になったこと
- 「こんなとき英語だったらどうなんだろう」という疑問
をとことん調べて、教授から助言をもらうこともできます。
英語学習や趣味の映画鑑賞など、自分の身の回りにある出来事を追及できるので、データ集めや参考文献の読み込み、論文の執筆に身が入ます。
もちろん、実体験に基づいたものでなく大学で学んで興味のあることを深掘りするのもありです。
英文学科の授業の中で、他の専攻である英米の文化や文学よりも、英語の仕組みや構造といった英語学の分野に興味があった私にとっては、英語学の卒論執筆やゼミの友人の卒論の話を聞くのがとても楽しかっです。
私と同じように英語が好きな方はきっと楽しく取り組めると思いますので、不安な方や悩んでいる方の参考になったらうれしいです!
なお、卒業論文を英語で書くという学生さんは、英語で卒業論文を書くって大変?英文学科卒の体験談の記事もあわせてご覧ください。
英語で論文を書くにはどんなことをするのか、何が大変かということを解説しているので、疑問を解消できると思います。
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