英文学科(英米文学科)の学生の就職先や就職活動について気になる方もいらっしゃると思います。
私も実際に就職活動をするまでは、
「英語が話せない英文学科でも採用してもらえるのかな」
「英文学科が有利(不利)になる職業ってあるのかな」
と気になっていました。
実際に就職活動を経験したり周りの友達を見て、その時の景気や大学により様々かとは思いますが、私の大学での全体的な傾向が見えたのでお伝えします。
友人の就職実績は想像以上に良い
私が就職活動をしていた当時は就職氷河期でした。
売り手市場の年代よりも採用人数が少なく、人気がある職業でありながらその年は新卒採用を見送る企業もありました。
そんな状況での就職活動でしたが、いざ終わってみて私の学科での就職先を一言で結果を表現すると、
「みんなすごい!」です。
抽象的な表現ですが、ただでさえ就職活動は大変なのにさらに私の年代は氷河期だったので、さらに厳しいものだと予想していました。
しかし就職活動を終えた結果は、私も友人もほとんどが満足のいくものだったのではないかと思います。
学科の友人達の内定先の傾向
学科全員分の就職先一覧を今はもうホームページ上で見られないので、私の友人の実績や覚えている範囲にはなってしまうのですが、学科内の内定の傾向をお伝えします。
志望度の高い企業に就職出来た
就活を始める前からの第一志望に内定できた友人もいましたが、第一志望は不採用でも第二志望と第三志望までの企業に内定をもらえる友人が多かったと思います。
エントリーシートや面接で選考が進むうちに第一志望には不採用になってしまうことがあるのですが、
「ここがダメなら次はこの企業が第一志望」
と気持ちを切り替えて面接に臨み、内定を勝ち取っていました。
私も第一志望はエントリーシートで不合格だったのですが、その後まさかと思う企業から内定をもらえて驚きました。
「面接の練習になるかな」
「記念に応募しておこう」
と考えて気軽に受けており、全く手応えもなかったので、次の面接に進むようにという電話をいただく度に毎回びっくりしていました。
大手企業が大多数
学科の友人たちの内定先は、大手企業がとても多かったです。
メーカー、通信、マスコミ、大手広告代理店と幅広い業界で、しかもそれらは総合職での採用が多いので、女子学生で総合職に内定する友人もたくさんいました。
また金融業界もとても多く、一般職(近年は地域限定総合職や準総合職と呼ぶことが増えている)が多数、1/3が総合職での採用でした。
金融業界での総合職は地方銀行が多く、一般職はメガバンクや大手保険会社、大手証券会社でした。
少数ですが、インフラ、航空(CA、地上職)、旅行会社、総合商社、公務員(役所、警察官)に内定している友人もいました。
採用解禁から1ヶ月以内に内定
私が就職活動をしていたときは、経団連加盟企業は4月1日が面接の解禁日だったので、内々定をもらい始めるのが早くて4月上旬からでした。
(経団連に加盟していない企業では3月頃に内々定を出していたので、内々定を貰っている友人を見て焦ったこともありました。)
私が初めて内々定をいただいたのが4月17日で、さらに数日後に2社目から内々定をいただき、どちらも希望していた企業だったので、その日をもって就職活動は終わりにしました。
業界や企業側の採用活動の規模により私は友人にくらべると少し早かったのですが、それから1週間くらいで仲の良い友人たちもみんな内々定を貰い4月中には就職活動を終えていました。
ゼミの活動が本格的に始まった5月にはゼミの友人たちほとんどが就職活動を終えていて、就職氷河期とはいえスムーズに内々定にたどり着けたような印象があります。
英文学科(英米文学科)特有の就職先はある?
「英文学科(英米文学科)卒なら◯◯に就職できそう」
というイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際は英文学科(英米文学科)が優遇される就職先はほとんどありません。
英文学科(英米文学科)は英語ができるから有利?
たしかに英文学科には英語が得意な学生が集まっているかもしれませんが、本当に英語力が必要な企業は入社試験で英語の試験があったり、TOEICのスコアを提示していると思います。
つまり、その条件をクリアしていれば英文学科である必要はありません。
いろんな学部・学科から英語を得意とする学生が応募するので、英文学科だからといって採用に有利にはなりません。
もちろん英文学科では毎日英語に関する勉強ができるので英語力の向上は期待できますが、独学、英会話スクール、留学などで英語の力をつけている他学部の学生もたくさんいます。
英文学科(英米文学科)で実績が多い業界もある
英文学科は技術職や専門職に就くための資格を取得するわけではないので、理系学部や資格を取得する学科にくらべると卒業後の就職先は様々です。
その中でも学部や資格を問わず応募ができる、メーカーや金融の事務職・営業職などとして内定をもらう学生が多いので、
必然的に英文学科にはそのような業界の内定実績が集まります。
航空業界
私のイメージでは、英文学科はCAやグランドスタッフにバンバン内定してそうなイメージがあったのですが、実際は学科内でCAと地上職が合わせて4〜5人いたようです。
しかし数人とはいえCAと地上職は他の学科と比較しても多かったと思います。
先にもお話ししたように私の就職活動中は氷河期で、航空業界で採用見送りがあったので、それがなければもう少し多かったんじゃないかなと思います。
女子学生に人気の職種で、周りにもCA志望の友人が複数いたので残念でした。
金融業界
私の知っている範囲では金融はダントツで多いです。
内々定をもらった人数(複数内々定をもらって最終的には他社を選んだ人も含む)は、私の直接の友人に限っても10人以上いるので、最終的には学科全体では1割以上が金融業界に内定していたことになると思います。
多い順に並べると、
- 保険会社(生命保険・損害保険)
- 銀行
- 証券会社
- その他金融
です。
私も銀行と保険から内々定を貰いました。
上記の業界は文学部の中でも英文学科がやや実績として多かったように感じるのですが、僅差なので、年によって変わることがあると思います。
さらに英文学科が有利なのではなく、文学部の中でも他の学科は学科特有の就職先(学校の先生や博物館など)や公務員に就職する割合が英文学科よりも多かったので、一般企業に就職する割合が少なくなった結果も考えられます。
英文学科(英米文学科)だから就ける職業
英文学科を卒業したという資格や経験が必要となるのは、学校の英語の先生や、英語の研究者です。
私が知っている学科の友人では、一人だけ英語の先生になりました。
また、大学院に進学して英語の勉強を続ける友人も数名いました。
大学院卒業後の進路は分からないのですが、大学教授や研究者になるには英文学科の大学院への進学が求められます。
結局、英文学科(英米文学科)が不利になることは?
「英文学科(英米文学科)だから不利」ということはありません。
ただ、理系の専門知識や資格を必要とする業界・業種(たとえば建築や繊維、食品メーカーの専門職)の実績はほぼありません。
メーカーや金融、インフラなどの一般企業のうち営業や事務なら、同じ大学の他学部・学科の学生と同じように採用されると思います。
応募や内定に制限があるとしたら、少し前にSNSで検証されて話題になった学歴フィルターでしょうか。
英文学科の話題からは逸れますが、これは私が就職活動をしていた10年以上前からあったと思います。
しかし私の大学は高学歴の括りには入らない大学なのですが、有名企業に就職している卒業生がたくさんいるので、学歴にとらわれない採用活動を行っている企業もあると伝えたいです。
自分はどんな会社に就職出来るのか予想する方法
私は就職課の資料を見ながら
「すごいなぁ、私はきっとここに並んでいる企業は無理だな」
と思っていたのですが、結局は資料で眺めていた志望度の高い企業から内定をもらうことが出来ました。
努力は必要ですが、すごいなあと眺めている就職実績の中に、あなたも加わるチャンスはあります。
就職先実績の見方
その大学の学科から、
- どんな会社に就職しているか
- その年だけなのか、継続的に内定しているのか
に注目してください。
毎年、もしくはコンスタントに採用されていれば、ご自身も採用される可能性は大きいです。
ただ、私も上京してからビックリしたのですが、大学には立派な家柄の友人も多く、ご両親の職業関連で内定をもらったという話も聞きました。
そうなると、その大学(学科)から過去に採用された実績があったとしても、それが特別なだけで通常では採用が難しいという可能性もあります。
もしくは実力で採用された実績があったとしても、その人だけ採用された場合もあるので、過去にその会社に何人採用された実績があるのか、人数まで調べましょう。
ザッと就職先一覧を見て希望する企業や業界が並んでいれば、ご自身もその仲間に入る可能性は大いにあります。
英文学科出身で役に立ったか
就職先は英語を使う業種ではなかったのですが、何度か英語の書類を読み書きすることがありました。
しかし英文学科で学んだ知識は一度も使いませんでした。
大学での勉強は就職のための学びではなく、教養ととらえられることが多いです。
英文学科では文化や文学を主に学ぶので、私の在学中はビジネスシーンに焦点をあてた授業はほとんどなかったように記憶しています。
現在はビジネス英会話やプレゼンテーションの授業も増えているかもしれないので、志望校の授業内容について調べてみることをおすすめします。
ビジネスで使える英語をたくさん学びたいのであればよりも英会話スクールの方がいいかもしれません。
ただ、英語の読み書きが得意で良かったと思うことはあります。
書類を英語で作った時に自分一人で調べながら進めたのですが、なんとなく、これはこうだ、とか、この表現は違うんじゃないかと判断することが出来ました。
ただそれだけです。
就職活動についてのまとめ
英語に特化した職業に就く学生は少なく、一般企業が多いです。
帰国子女で英語がネイティブ並みに話せる友人も英文学科には何人もいましたが、ほとんどが一般企業に就職しました。
英文学科だから、と特別な就職先を選ぶことはほとんどありません。
実際に英語を使った職業に就いたのは、知っている限りではグローバル企業に就職した友人一人だけです。
そして英文学科だけが選ぶことができるものは、英語の教員免許を必要とする先生でしょうか。
英文学科でも、募集要項を満たしていれば希望する企業に内定をもらえるチャンスはあります。
私の学科の友人たちは就職活動へのモチベーションが高く、私も刺激をもらったり助けてもらったりしていました。
頑張ってください!
コメント