私は英文学科にいくつかある専攻のうち、英語学を選びました。
その他の専攻である英米文化や英米文学とくらべると、英語学は「難しそう」「よく分からない」と感じませんか?
私はそうでした。
しかし、英語学(言語学)の講義を受ける中で英語学がすごく楽しいことに気づき、私が英語で好きな分野は、文学や文化ではなく英語学だと確信しました。
そして最終的には英語学のゼミに所属し、英語学についての卒論を書きました。
英語学の卒論は書きやすい?テーマの選び方やデータについての経験談
そんな私が英文学科時代に専攻していた英語学についてや、どうして英語学専攻にしたのかという経験をお伝えします。
英語学とは?
私自身の言葉で英語学を紹介すると、「英語の仕組みや特徴など、『英語そのもの』について学ぶこと」でしょうか。
Wikipediaでは、英語学についてこのように説明されています。
英語学(えいごがく)とは、言語学の一分野で、現代言語学の方法論に基づき英語が持つ特徴等を理論的に記述する学問のことである。
そして私は英語学のゼミに所属し、英語学の中の「認知言語学」という分野について卒論を書きました。
英語学のゼミの中でも認知言語学に興味がある人はなかなかいないようで、10数名いたゼミの中でも私とあともう一人いたかな…という程度です。
これだけだとあまり英語学についてのイメージも湧かないと思いますし、興味をひく内容でもないと思われるかもしれませんが、英語学は幅広く、実は身近なところにもあります。
※このブログでは私の大学時代の経験を紹介しているので、英語学や言語学の詳しい内容については専門の方が分かりやすく説明しているサイトをご覧ください。
英語学専攻での卒論の例
同じ英語学ゼミにいた友人たちは、尊敬語、スラング(俗語・若者がよく使う言葉)、丁寧表現、品詞をテーマにしていました。
英語という言語の研究に、少し社会性や文化が加わった内容が多かったかなと思います。
また、英語学のうちの音声学の分野では(違う教授のゼミだったのですが)、オノマトペ(擬声語:わんわん、がらがらなど/擬態語:じろじろ、こっそりなど)、イントネーション(声の抑揚)を選んで卒論を書いていました。
どちらのゼミでも、実際に日本語と英語のネイティブスピーカーにインタビューや会話をしてもらったり、文献からデータを集めたりして、日本語と英語で比較するパターンが多かったです。
私も友人や教授から自分とは違った分野の英語学を学ぶことが出来たので、ゼミの時間はとても楽しかったです。
また、最初から英語学の知識があり、「認知言語学について学びたいです!」と言っていたわけではありません。
「日本語と英語ではこういう違いがあって、それがすごく面白いと思って興味があります。」という説明をしたところ、教授が的確なアドバイスをくれ、今後の方向性を示してくれました。
教授がおすすめしてくれた文献や論文は、どれも私の知りたいことにぴったりで、ほとんどが英語のものでしたがとても楽しく読むことができました。
私が英語学に興味を持ったきっかけ
一人称を表す言葉として、英語は「I」一つなのに対して日本語では「わたし」「ぼく」、さらには「わが輩」など、話者や物語の特性によっていくつもの単語に訳すことができます。
「英語には一つしかないのに、日本語は同じ意味が複数あって使い分けているなんて面白いな」と思ったのが、一番最初です。
(その後、英語には複数の表現があるが日本語に訳すと全部同じ単語になるいう逆のパターンがあることも知りました)
「日本語はこうなのに英語はこうなるのはなんでかな」
「日本語と英語の違いが面白い!」
と中学や高校で英語の勉強をしているときから感じていました。
私は英会話スクールに通ったことも留学経験もないので、学校で習う日本人にとって一番身近な英語から、自然と英語学に興味を持っていたのです。
英語学習の小さな疑問や面白さの中に、英語学に興味を持つきっかけはたくさんあると思います。
まとめ
「英語そのものが好き」と、中学か高校くらいから、よく言っていた気がします。
英語を上手に話したり、会話で使いこなすことは出来ないけど、それでも英語の勉強はずっと好きでした。
英語学のゼミに所属していた大学四年生は、卒論に向けて文献を読んだり教授に教えてもらって、英語についてとことん向き合えた1年間でした。
大学生活で一番気がかりである卒論のことを考えると、英語学よりは文学の方が卒論書きやすいんじゃないかなと思ったこともありました。
しかし、やはりずっと興味を持っていた分野を勉強したいという気持ちの方が大きかったので、英語学のゼミを選ぶことに決めました。
結果として、専門の知識がある教授から直接英語学を学ぶことが出来たのは今までの私の人生を振り返った中でも誇りです。
心配だった卒論も、教授のお力添えのおかげで行き詰まることなく書き進めることが出来ました。
文献を読むのも、卒論を書くのも、ゼミの時間も、英語学にかかわっている時間はとにかく楽しかったです。
英文学科の中では、英米文化や文学とくらべると少数派の分野ですが(私の大学の、私の学年では)、身近にある英語の疑問を深掘りできる楽しい専攻です。
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